ルーツ・ミュージックとは
出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Sun_Studio
●まず始めに
星の数ほどあるインターネット上のサイトの中から本サイトへ来て頂き、ありがとうございます。
たいそうなタイトルを付けておりますが、40代後半になってルーツ・ミュージックというものの魅力に取り憑かれたオッチャンの熱い想いをゆるしてあげてください。
※(このサイトはあくまで僕自身の主観が入っており、個人的に「良い」とか「これは重要だ」と思ったものを取り上げています。世の中の評論家や知識人の方々が勧めているものでも入っていないものもあるかもしれません。逆にあまり評価の高くないものでも、気に入ったものがあればどんどん上げています。)
ルーツ・ミュージックって何?どんな音楽?
ウィキペディアによると、
ルーツ・ミュージック(roots music)とは、広義には各地域の土着の音楽を指している。
主なルーツ・ミュージックとしては、黒人のブルース、ゴスペル、ディキシー・ランド・ジャズ、白人のフォーク、カントリー、ブルーグラス、テックス・メックス(テハノ・ミュージック)などがある。特にアメリカ南部はアフロアメリカン人口が、アラバマ、ルイジアナ、ジョージア、サウス・キャロライナ、ノース・キャロライナ、テネシーなど11州を中心に多く、彼らの生み出してきた音楽が土着のルーツ・ミュージックとして生き続けてきた。
とあります。
しかし”広義には各地域の土着の音楽”となっていますが、上記だとアメリカ南部についてしか触れていません。
音楽というものが、いろんな歴史や地理、人種の問題なんかを乗り越えて自然に発生してきたものと捉えると、全然足りないと思います。
ジャズも入っていないし、カントリーの元であるアイリッシュもなく、中南米〜南米についても無視することは出来ません。
そこで、このサイトでは基本として現役のポピュラー・ミュージシャンやアーティストたちが影響を受けていて、そのような音楽が無ければ今の音楽が出来ていないといったところに照準を持っていき、ルーツ・ミュージックとはこういったものを指しています。
→【西暦1800年後半以降〜1970年代ぐらいの大衆民族音楽】
いわゆる現代のポピュラー音楽のルーツになるような音楽のことです・・・。これでもまだよくわかりませんよね?
いろんな専門家の意見などもありますが、現代の音楽は大きくザックリと2種類に分かれると言われています。それは、「芸術音楽」と「大衆民族音楽」です。
わかりやすく言えば、「芸術音楽=クラシック」「大衆民族音楽=クラシック以外」ということになるでしょうか。
例として、クラシックで使う【ヴァイオリン】は、アイリッシュやカントリーなどの大衆音楽では【フィドル】と呼びます(モノは同じ楽器)。豆知識としては、ヴァイオリンはイタリア語派生で、フィドルは英語派生らしいです。
このサイトでは、そんな大衆民族音楽についてのことを書いています。
そして、今現在、そこら中で耳にする大衆民族音楽の過去のルーツに遡ってその魅力について伝え、そして残していくことを目指したいのです。ここでは、それらの過去の音楽を総称して「ルーツ・ミュージック」と呼ぶことにします。
こんな人に聴いて欲しい
ここまでめちゃくちゃ簡単にさらっとルーツ・ミュージックについて説明しました。
じゃあ、どんな人がハマりそうなのでしょうか?
あくまで僕の個人的な主観ではありますが、あなたに当てはまるかどうかご参考にしてみてくださいね。
まあザッとこんな感じかなと思います。
僕自身もまだまだ知らないことだらけですし、一応楽器はギターを少々弾きますが、ルーツ系はフィンガーピッキング(指弾き)が多くて、コテコテのロック上がりにはなかなかハードルが高いです(汗)。
それでも、やっているうちに少しづつわかってきますし、何よりルーツ・ミュージックの奥の深さと演奏の種類の多さにビックリです。
そして何より楽しい!
だからもし、あなたが少しでも興味があるのでしたら、どんなことからでもいいので始めてみて欲しいなって思っています。僕で良ければ相談にも乗らせていただきます。
ルーツ・ミュージックが与えた影響
ちょっと固い話ですが、ルーツ・ミュージックの歴史を紐解くと、元は植民地時代のアングロサクソン人の南北アメリカへの入植と、黒人奴隷や人種差別といったキーワードへたどり着きます。
そういった、被差別的なところから発せられたエネルギーが、音楽として生まれてきたという背景があります。
様々な偶然と混合がもたらした奇跡とでも言えましょうか。
まだ、インターネットもスマホもAIはもちろん、パソコンで音楽を作ることが出来ないような時代に、日常のいろんな苦労や辛さ、嬉しさ、喜びといった人間的なやり場のない感情を、身近な楽器や歌というツールに乗せて体全体から吐き出していた本物の音楽がそこにはありました。
なんだか昔の古臭いようなイメージが出てきますか?
ただ、確実に言えることは、ビートルズもマイケル・ジャクソンもブリトニー・スピアーズもビヨンセもジャスティン・ビーバーもビリー・アイリッシュもサザン・オールスターズもジャニーズやAKB48までも皆少なからず『ルーツ・ミュージック』の影響を受けているということです。いや、受けざるを得ないと言ったほうが正しいかもしれません。なぜならそれらは皆、大衆民族音楽だからです。
では、そんなルーツ・ミュージックについて詳しく見ていきましょう。
ルーツ・ミュージックにはどんなジャンルがあるのか?
以下は、そんなルーツ・ミュージックをジャンルに分けてみました。
(♪ジャンルをクリックするとそれぞれのページへ飛びます♪)
ブルース
カントリー・ミュージック(ブルーグラス含む)
ゴスペル
ジャズ
フォーク
※現在ここまで(以下作成中)
R&B、R&R、ロカビリー(50’)
ケイジャン、ザディコ
ソウル、ファンク
ロック
アイリッシュ
サンバ、ボサノバ
カリブミュージック
その他
ただし、主に今のジャンルとして「アメリカーナ」というものがあります。
アメリカーナ
アメリカーナは、上記のようなルーツ・ミュージックをミックスさせて今風の音にしたようなジャンルですが、特にアメリカ系のルーツ・ミュージックが好きであれば、ほぼ間違いなくお気に入りとなるはずです。
聞いたことがあるジャンルもあれば何だかよくわからないようなジャンルもあると思います。なんとなく想像はつくというのもあるかもしれませんね。
つまり先ほど書いたような超有名なアーティストもミュージシャンも、大きな括りで大衆民族音楽である限りは、これらのジャンルの音楽的な影響を必ず受けているのです。
パッと見ても「ロック」というジャンルだけでも一体世の中にどのくらいのミュージシャンが影響を受けているかを想像すればわかると思います。
※(特記事項)
⭕ルーツ・ミュージックは、本当に心が踊りワクワクさせてくれて、単純に感動するような音楽の宝庫であるので、このサイトではあまり堅苦しい言葉や、ややこしいことを伝えるのではなく純粋に楽しんでもらうことを目的にしています。
⭕全体において、たくさんのミュージシャンや楽曲を紹介しています。メインのプラットフォームはYouTube(動画配信)を使っていますが、一部でSpotify(音楽配信)も使っています。どちらも基本的には無料で楽しめます。サブスクリプションで有料会員プランなどもあるのですが、用途によってはとても価値がありますので是非ご検討を。
・【YouTube】⇒ こちら
・【Spotify】⇒ こちら
⭕それから重要だと思うミュージシャンについて、曲ごとにレビュー評価をしています。5つの項目をそれぞれ5段階評価にしています。
内容は以下です。
- 重要度・・・音楽界やその後のミュージシャンへの影響や貢献の大きさ
- 知名度・・・どのくらい有名か。単純に世の中での認知度
- ルーツ度・・・ルーツっぽさがどれくらいあるか → 個人的な評価
- 好み・・・僕自身がどれくらい好きか
- 総合・・・上記の4つを基にトータル的な評価
※(サンプル例)
重要度 | 3.0 |
知名度 | 3.5 |
ルーツ度 | 3.0 |
好み | 4.0 |
総合 | 3.5 |
⭕上記のレビューや個人的な感情?なども入りますが、重要なミュージシャンは出来るだけ”ランキング形式”でカウントダウンしていますのでご参考にしてください。
※(2022年4月以降は多くても各ミュージシャンのベスト5曲までに絞り込むように変更しています。それ以前は1人のミュージシャンで20曲以上紹介しているものもあります。)
⭕念の為ですが、上の曲評価もランキングもそうですが、このサイトでは全編に渡り、僕の個人的主観が入っているのでご理解願います。
なぜルーツ・ミュージックに惹き込まれたのか?
僕は今までに、先ほど書いたような音楽ジャンルについてほぼ全てに感動し、衝撃を受けてきました。
”初期衝動エネルギー”とでも言えばいいのでしょうか。それらの音楽には今聴いてもとてつもないパワーを感じて、魂を揺さぶられます。
かと言えば、カッコ良さや癒やしも同時に感じられるまさに魔法のような音楽だと思っています。ダイソンじゃありませんが、”ピュア”で”ホット”で”クール”な音楽とも言えます。
またほとんどが僕が大好きなお酒に合うというのも付け加えておきます(^^)。
今から20年〜30年ほど前、僕は学生でしたが、元々はハードロックやヘヴィメタル、パンクロックやサイコビリー、ミクスチャーロックなどウルサい系の音楽が好きでした。
しかしそのうちやっぱり気になりだしました。。。
「彼らはどんな音楽を聴いて影響を受けてきたのだろう??」
そんな自分がリスペストしているミュージシャンたちがどんな音楽を聴いてきたのかを調べていくと、70年代のロックや60年代のフォーク、50年代のロックンロールなどが多いことがわかりました。いろんなカバーもしてましたし。
そして、ご多分に漏れず僕もそういった過去の音楽を聴くようになっていきました。
すると今までもどこかで聴いたことがあるような曲もあれば、全く知らなかったようなものまで次から次へと出てきて、どんどんのめり込んでいくようになります。
「ええ!!?今まであまり知らんかったけど、昔の音楽っていいやん!」
当時はCDが全盛でしたが、古いものだとレコードしかないようなものもありました。
だから今みたいに聴きたけりゃ、「ネットでダウンロード!」なんていうわけにはいきません。
聴きたいものは、CDやLP盤などのレコードを買って、プレーヤーで聴かなければならなかったのです。
アルバムだと1枚3千円ほどするので、学生の小遣いではそんなにしょっちゅう買えません。
レンタルとか中古レコードとかもありましたが、レンタルだとそんな昔のものはほとんどありませんし、中古レコードも決して安いわけじゃないので買えるのにも限界があります。
もちろん音楽仲間と貸し借りしたりして、できるだけたくさんの音を聴こうとはしていました。
それでもそれなりに詳しくなってきて、それなりに昔のルーツ的な音楽もわかったつもりでいました。
でも全然知ってなかったのです。
あれから数十年が経ち・・・
幸か不幸か、今や完全に情報社会です。あまりにも簡単に音源や画像、映像が入手できるので、「手に入れる面白み」や「苦労して手に入れた時の感動」みたいなものが無くなってきているのは事実ですが、それでも自分が知らないルーツ・ミュージックやミュージシャンがまだまだいることがわかりました。
いろいろと新しい発見があり、また次々に感動も押し寄せてきて、いつの間にかルーツミュージックの世界に惹き込まれるようになっていたのです。
素晴らしきルーツ・ミュージック
「何がそんなにいいの?」と聞かれても、「いいものはいい!」といった主観で反射的に返してしまいそうですが、少し分析してみます。
アメ車や旧車のカッコ良さと同じ
いきなり主観全開の質問をしてしまってスミマセン(^_^;)
僕は1970年代生まれで、幼い頃はスーパーカー・ブームとかもあったのですが、それよりももっと前の旧車がカッコいいと思うのですが、この感覚わかりますか?
ちょうどルーツ・ミュージックの世代ともカブるのですが、上の写真のような昔のアメリカやヨーロッパの車です。
なんか大きくてゴツゴツしてて、明らかに燃費が悪そうで、すぐに故障してしまいそうで、今だったらおそらくまともに走ってくれなさそうなヤツです(笑)。
こんなんとか。あんなんとか。バイクも。
まあ、一般的には「ヴィンテージ・カー」と呼ばれている類です。大好きですね。ほぼ見た目100%ですが。
こんなエア・ストリーム(キャンピング・トレーラー)なんてたまりません。
もうここまで話すとおわかりかもしれませんが、ルーツ・ミュージック=「ヴィンテージ・ミュージック」という解釈でも構わないかもしれません。
そうです、20世紀にあった少しモノクロがかった古き良き時代を匂わせるヴィンテージチックな世界です。
そこにはシンプルでカッコ良くて、オーセンティックでノスタルジックを感じるまさに「Hot & Cool」な空気があったのです。
しかも”本当に奥が深い!”です。
知れば知るほど、のめり込めばのめり込むほど、例えばたった一人のミュージシャンだけでもいろんなエピソードや人間性はあるし、逆に当時の人たちは今のように情報は無いから、やることも少ないので楽器を弾いてばかりいたのかもしれません。だからメチャクチャ上手い人も多いです。楽器に魂が乗り移っているというような感じと言えばわかりますかね?
それは、シンプルに日常の生活に音楽が密着していたからなんです。そう、感覚的にわかってしまう本物の音楽が昔にはあったんだと思います。
まあ結局は「理屈じゃない感覚的なもの」です。
それこそが僕がルーツ・ミュージックに惚れ込んだ理由です。
インターネットの登場はまさに革命!
・グーグルとYouTubeという化け物の登場
それからITやインターネットの登場は無視できません。
「ルーツ・ミュージックが好きなくせに何を矛盾したようなことを言っているんだ!?」なんて言われそうですが、皮肉にもITによる情報量の恩恵には頭が上がりません。
確かに理想を言えば、ルーツ・ミュージックについては全てレコードをプレーヤーや蓄音機で聴きたいですが、もちろん経済的なことを考えてもそれは無理です。
グーグルやYouTubeが起こしてくれた革命は、そんな壁をいとも簡単に崩してくれました。
僕もおそらくYouTubeが無ければ、そこまでルーツ・ミュージックにハマることはなかったでしょう。イヤ、正確に言うとほとんど知ることもないまま時が過ぎたのではないかと思います。
つまり、インターネットというツールやYouTubeという動画配信のおかげで、ルーツ・ミュージックのことを深く知ることができて、学ぶことすらできるようになったからこのサイトも作れるようになったのです。
僕らが子供の頃を考えると、本当にありがたい時代になりました。感謝!
・SpotifyやApple Musicによって、完全にぶち壊された
もう一つ、音楽ストリーミングサービスの存在もめちゃくちゃ大きいです。
このサイトでも、各ミュージシャンの曲紹介で埋め込んでいます(ここではSpotifyメイン)が、音楽の配信サービスが凄すぎるというのも理由としてありますね。
SpotifyやApple Musicなんかだと4000万曲以上データがあるそうで、一生かかってもとても聴ける量ではありません。
そんな音楽配信サービスも、以前じゃ全く考えられないようなサービスですが、そのほとんどが無料でもそこそこの量が聴けるということも凄いです。(でも言うまでもなく有料プランでも全然安いです。コスパ良すぎ!)
このサービスでも、次から次へと聴きたいものがどんどん出てくるのですが、さらにAI(人工知能)を使っているので、自分が気に入りそうな曲やミュージシャンを次から次へといくらでも流してくれるので、本当に価値観が崩壊してしまいそうになります(汗)。
まあ、何にせよそういったテクノロジーのおかげでますますルーツ・ミュージックの魅力を知ることができるようになりました。
ルーツ・ミュージックという遺産を残すために
ルーツ・ミュージックを調べていくと、いろんな歴史や地理といったものにぶつかります。
子供の頃の義務教育の時には歴史や地理なんて大嫌いでした。ワケのわからない事件や場所の名前を覚えたり、その年号を暗記したりと苦痛以外の何ものでもありませんでした。なぜなら、それは興味がなかったからです。
でも、今回ルーツ・ミュージックを糸口として奴隷貿易やアメリカの歴史、音楽の変遷や影響についてその地理を気がつけば面白くて学んでいる自分がいました。
グーグルアースを眺めながら、初めて歴史やその地理を知りたい!と思ったものです。
「本来、勉強ってこういうものなんだろうな。」なんて気持ちになって、いかに日本の義務教育のカリキュラムが無駄かということに改めて気づきました。余談ですが。
くどいですが、ルーツ・ミュージックは本当に魅力が満載です。
今までご説明してきたように、こんな素晴らしい音楽をこのまま埋もれさせておくのは音楽史上においてもマズいと考えています。
僕は日本人ですが、異国の遺産に興味を持ってしまいました。でも、それはそれでいいと思っています。今単純に好きなことをやりたいですし、いつか将来に日本のことにも興味が沸くかもしれません。
ルーツ・ミュージックを培ってきた本国にはたくさんの伝承者がいるでしょうが、日本人を見てみるとまだまだ少ないと思います。
確かに各ジャンルごとには、(それでも少ないですが)ずっと活動されておられる方々も専門家の方もいらっしゃいます。
いつの日かそんな方々の橋渡しをしたり、一緒に日本の音楽界でもルーツ・ミュージックを盛り上げて遺していけるような活動を、これからもしていきたいと思っている所存であります。
2022年 バン