(出典:ブリタニカ百科事典)
遅咲きのニューオリンズ・ジャズ・トランペッター/バンク・ジョンソン(Bunk Johnson)
バンク・ジョンソンとは
ニューオリンズ・ジャズで活躍したトランペッターで、ジャズの草創期から活躍していたが、1933年に歯の喪失事件があり一時引退した。
その後ニューオリンズリバイバルで再発見され、1942年とかなり晩年になってからが初めてのレコーディングとなった遅咲きのジャズマン。
曲紹介
「Panama(1942年)」最初期の音源
「Moose March(1942年)」曲名からもそうであるが、マーチソングの色が濃い。
「Storyville Blues(1942年)」Original Superior Bandでの演奏と録音
「Ballin’ The Jack(1942年)」1913年にジム・バリスが作曲したスタンダード。当時は踊れる曲だった。
「Lowdown Blues(1944年)」スローなブルースでジャグ・バンドのような音
「The Girls Go Crazy(1944年)」Lu Watters & The Yerba Buena Jazz Bandとのレコーディング。トラディショナルな曲で典型的なディキシーランド・ジャズでカッコいい。
「Tishomingo Blues(1945年)」スペンサー・ウィリアムズ作曲のスタンダードナンバー。ティショミンゴとはミシシッピ州にある小さな町。
「One Sweet Letter From You(1945年)」ジョージ・ルイスやベイビー・ドッズとの共演でバンク・ジョンソンの演奏も冴えている。
バンク・ジョンソンはジャズの初期から活躍していたと言われており、本来であればもっと評価されるべきジャズマンなのだろう。しかし自身の歯の問題などもあってしばらく音楽から離れてしまったため、古い記録も残されていない。
再発見されて初めてのレコーディングは1942年で、そこから数年間で怒涛のような吹き込みをしている。それは遅すぎたかもしれないが、今も多くのジャズ研究家たちがバンクの歴史を探求しているらしい。ただ、ルイ・アームストロングとの繋がりなど、ジャズ史において重要な発見なども見つかってきているので今後も目を離せない。