(出典:Discogsより)
ウエスタン・ミュージックで最初に有名になった本物のカウボーイ軍団 オットー・グレイ&オクラホマ・カウボーイズ(Otto Gray and His Oklahoma Cowboys)
オットー・グレイ&オクラホマ・カウボーイズとは
ウエスタン・ミュージックとして最初に有名になったバンドである。
メンバーはオクラホマ出身の本物の荒くれカウボーイの集団で、特にバンド結成者のビリー・マクギンティは元騎兵でライダーとしてもかなり有名であった。
南東部を中心としたヴォードヴィルツアーで、130局以上のラジオに出演しビルボード紙の表紙を飾る。
※オットー・グレイ&オクラホマ・カウボーイズはオールドタイムやヒルビリーという範疇ではないが、1920年代には活躍していたのでここに上げようと思う。
曲紹介
「Pistol Pete’s Midnight Special(1926年)」これはいい動画である。曲はあの囚人の歌「ミッドナイト・スペシャル」だが、実はレッド・ベリーではなくこっちの方が8年ほど早く録音している。しかもメンバーのDave “Pistol Pete” Cutrellが一人で、バンドよりも先に録ったようである。つまりオットー・グレイ&オクラホマ・カウボーイズの最初のレコーディングということになる。
「It Can’t Be Done (1928年)」オットー・グレイ&オクラホマ・カウボーイズにとっての代表曲。スローなテンポだが、これぞウエスタンなストリングバンドの曲である。
「Who Stole The Lock On The Henhouse Door(1931年)」前2曲と比べるとアレンジにも凝っていて洗練されているような音だが、西部の田舎の街で夜な夜な酒場などで演奏しているのが想像できるような感じがする。コメディ的な要素もあり。
「Four Thousand Years Ago(1931年)」これはオールドタイムなヒルビリーっぽい曲。バンジョーとフィドルが前に出ていて後期の代表曲となっている。
元々バンドを作ったのが有名なオクラホマのカウボーイで、さらにメンバーも本物のカウボーイを集めたというのはかなり特殊である。
音楽が本業ではないわけだが、そこは当時体力的にもしんどい仕事をしていたカウボーイたちで、気性は荒かったようだが、器用さも兼ね備えており、メンバー全員が複数の楽器を弾けたということもあって、”見せ芸”としてもなかなか凄いパフォーマンスをしていたようである。チェロを使っていたのも変わっている。
You Tubeにあった動画だが、1929年に撮影されたこの映像をぜひ観ていただきたい。
さすがにヴォードヴィルでツアーに出るだけのことはあって芸達者だ。後半の2人のフィドルのやり合いは相当レベルの高さがわかる。
時代もあるがカウボーイそのものにもリアリティがある。この頃って日本で言えば昭和初期なんで、当たり前だけどアメリカとはやっぱり全然文化が違う。